ザリガニは外的環境(餌や飼育環境)により色が変わります。そのザリガニの体色に影響を与える要因をまとめると次のとおりです。全7つです。
ちなみのこの記事は2018年4月に書いた記事を読みやすく修正したものです。
その1:餌
ザリガニの体色に影響を与える要因として一番有名なのは餌ですね。ザリガニにサバ(鯖)を与え続けると青くなるのはよく知られています。
上の写真はサバを与え続けて青くしたノーマルのアメリカザリガニです。ちなみにサバを与え続けると青くなるのはカロチン不足です。
その2:日光
次に、あまり知られていないようですがザリガニの体色は日光に非常に強く影響を受けます。餌より影響が大きいと言えるかもしれません。
下の記事で詳しく書きましたが固定品種以外のザリガニに日光を当てるとメラニンが生成されて色が茶褐色になります。

ドワーフザリガニを綺麗な青を維持して飼育したいと思ってる方は多いと思いますが結構簡単です。日光を遮断してライトもあてずくらい場所で飼育すればいいだけです。バスキューザ、ミスクレなどもこれだけで青くなります。青化の餌とかは必要ないです。
その3:保護色
ザリガニには保護色機能があります。保護色といえばミナミヌマエビやメダカがよく知られていますがザリガニにも保護色機能があります。ミナミヌマエビほどではないですが結構強いです。特にヤングサイズのザリガニやミスクレはこの保護色機能が強いです。
ザリガニを黒い底砂を敷いた水槽で飼育すると青っぽくなります。黒ではなく全部白で統一すると反対にザリガニは白くなります。
2019/5/17追記:側面はあまり関係ないかもしれません。魚などもそうですが底の色に同化しようとする傾向が強いと思います。
その4:遺伝的要因
そもそもの話となりますがザリガニの色を決定する要因には遺伝があります。
白ザリ、オレンジザリガニ、青ザリ等の固定品種は突然変異により生まれた個体をもとに遺伝的に固定して作られています。下の記事でさわりだけ書きました。

その5:血統
あとは血統というものもあります。
血統とは家系図みたいに表現できる特定の血族内の「近親交配」により誕生した個体のことを言います。(広い意味だとまた違いますが)
選別累代で近親交配を重ねた血統は表現が洗練されています。ただし単純な選別交配で色を青に固定することなどは不可能です。つまり〇〇血統だから青く育つとかそういうものは残念ながら全部嘘です。
つまり選別累代で色を固定した「ブルー血統ドワーフザリガニ」や「ホワイト血統ミステリークレイフィッシュ」などを名乗ってる人がもしいたとしたらそれは詐欺です。
ちなみに個人的にザリガニにおいて血統とは自己満足だと思ってます。だから価値がないというつもりはなく個人個人が価値を感じるならそれでいいんじゃないでしょうかね。当方も大事にしてる血統はあります。
その6:産地
ザリガニの色彩変異にとって産地はかなり重要です。
産地の重要性についてはさわりだけ下の記事で書きました。詳しくはおいおい書きたいと思います。

その7:成長速度
ザリガニの発色は成長速度にも影響を受けます。
ザリガニの色の濃さは単純に産まれてから現在までのカロチンの蓄積量に比例するためです。メラニン色素の定着にもある程度時間が必要です。
またザリガニは自分自身では赤の色素を有さなかったりと外的環境により後天的要因(獲得形質)により表現が決まるパターンが多いため成長速度という要素も体色に影響を与えます。
まとめ
まとめると次のとおりです。
- 餌
- 日光
- 保護色
- 遺伝的要因
- 血統
- 産地
- 成長速度
ちなみに、他の生物にはありますがザリガニには婚姻色というものと考えられているようですが個人的に成熟したアメリカザリガニの色が鮮やかになるのは婚姻色だと考えています。
水質phはあまり関係ない
水質が弱酸性だとドワーフが青く育つというという噂もありますがそれは関係ないです。日光に当てれば水質にかかわらずメラニンにより茶褐色になります。水質のphが弱酸性寄りだとメラニン色素の発生が抑えられるとかありえますか?ありえないですよね?
ちなみにアジサイの花の色素は「アントシアニン」であるため土壌のphにより花の色が変わります。しかしザリガニの色素は「アスタキサンチン」であって「アントシアニン」は関係ないためアジサイの花のようにphによって色が変わることはないです。
保護色…飼育環境の光量ですね。
ザリガニは、複眼からの刺激で変化
ラマシーでの飼育検証
①照明強 底砂黒 →濃くなる
②照明弱 底砂黒 →薄い
③日光 底砂白 →薄い
④日光 底砂黒 →濃くなる
⑤照明強 底砂白 →薄い
こんな感じで光の差で変化しましたね。