甲殻類を重複交尾させると初回の交尾が優先される可能性(抱卵の舞)

 

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結構前から疑問に感じてたことですが、みなさんザリガニを重複交尾させた場合いったいどんな稚ザリが産まれてくると思いますか?

具体的にはメスをAオスを交配させた後すぐにBオスとも交配させた場合です。その場合ですが考えられるパターンとしては次の4つだと思いますが

  1. 最初に交配させたAオスの遺伝子を引き継いだ子供が産まれる(早い者勝ち方式
  2. 最後に交配させたBオスの遺伝子を引き継いだ子供が産まれる(上書き可能方式
  3. 1.2.の子供が一度の繁殖で産まれる(仲良く共存方式
  4. オスの遺伝子がミックスされた子供が産まれる(オスの遺伝子がミックス方式

みなさんどれが正解だと思いますか?

個人的な見解

個人的な見解としては4.は絶対なく3.は多分ない、詳細は次のとおりです。

まず最初に4.の「交配経験のある複数のオスの遺伝子がミックスされた子供が産まれる」これは物理的に絶対にありえません

なぜならば精子と卵子は一度受精したらそこで受精完了になるからです。人間の場合ですと次のとおりです。

射精とともに卵子へと目がけた競争はスタートし、卵子が待つ卵管膨大部まで最初にたどり着いた何億匹のなかのたった1匹だけが、卵子と受精することができるのです

はなおかレディースクリニック

ただし例外もあって双子というケースもあるようですが。

3.の「交配経験のある複数のオスの子供が産まれる」これもないと思います。

なぜならば種の存続を考えた場合には一番強いオスの遺伝子を残した方が絶対的に有利なのにわざわざ弱いオスの遺伝子も残す意味がありません。ただし遺伝子の多様性を考えた場合にはメリットがないわけでもないのとザリガニの精包の入る場所は左右二箇所あるというようなことを発言されてた方がいましたのでもしかしたら可能性はあるのかもしれません。

残された可能性としては1.の「早い者勝ち方式」もしくは2.の「上書き可能方式」ですが個人的には1.の「早い者勝ち方式」だと思ってます。

理由を以下順番に解説します。

シュリンプの抱卵の舞

シュリンプは大潮の日などに抱卵の舞をするというのは良く知られています。

抱卵の舞がどういうものか簡単にご説明しますとシュリンプは大潮の日に脱皮することが多いようですが、大潮の日などに複数のメスが脱皮するとオスがこぞってその脱皮したメスと交尾しようとメスを追いかけまわすので水槽内の複数のシュリンプが活発に泳ぎ回ってまるで舞ってるように見えることをいいます。

なぜ抱卵の舞をするかの考察

なぜ抱卵の舞をするか考えたことがある方はいますか?

個人的にはシュリンプの種付けはオスにとって早い者勝ちであるのと同時に脱皮により過去の種付けがリセットされるためだと思ってます。

したがってメスが脱皮するとそのメスと交尾しようとオスがメスを追いかけまわすので抱卵の舞になるのではないか。

ザリガニの受精の仕組みがシュリンプと同様であるならば

もしザリガニの受精の仕組みがシュリンプと同様であるならば冒頭の4つのパターンの選択肢ですが

  1. 最初に交配させたAオスの遺伝子を引き継いだ子供が産まれる(早い者勝ち方式)
  2. 最後に交配させたBオスの遺伝子を引き継いだ子供が産まれる(上書き可能方式)
  3. 1.2.の子供が一度の繁殖で産まれる(仲良く共存方式)
  4. オスの遺伝子がミックスされた子供が産まれる(オスの遺伝子がミックス方式)

正解は1.の早い者勝ち方式になるはずです。個人的にこれを支持しています。

例外もある

ただし例外もあります。例えば最初に交配させたAオスの精包がうまくメスに受け渡されなかった場合、Aオスが生殖能力を持っていなかった場合などです。

遺伝子の多用性

また前述しましたが3.の「仲良く共存方式」遺伝子の多様性を考えた上では一応可能性があるような気もしなくはないですが

1.の「早い者勝ち方式」でも例えば人間の場合、1つの配偶者(男女カップル)が持つ染色体の組み合わせは800万通り以上だそうで(『遺伝のしくみ』より)

遺伝子の多様性を考えた場合でもオスは1匹で十分過ぎるという気がします。

染色体の数

ちなみにヒトの染色体の数は23対46本、それに対してザリガニは94対188本だそうです。

ただし、染色体の数が多いほうがいいというわけではなく一つの染色体に乗っかってる情報量が少ないだけとも考えられますので多ければ多いほどよいというわけでもないようです。詳しくは『遺伝のしくみ』をお読みください。すごく面白いですよ。