2017年12月くらいからザリガニのキメラというものがヤフオク出品されたりと日本で流通するようになりました。ごく一部の方がとてもお熱をあげているようですね。
これですが、名前のとおり本当に「キメラ」であるならば遺伝子操作により作成された合成獣、合成生物ってことになります。
実際に見た感じも(↓の画像参照)もともとのベースとなる個体に別の表現の個体の遺伝子が組み込まれているように見えます。単刀直入に言いましてこれって遺伝子組換え生物じゃないでしょうか?
画像引用元:AQUA GALLERY ROSSO
遺伝子組換え生物とは
ちなみに遺伝子組換え生物とは、遺伝子工学の技術を用いて遺伝子を操作された生物を指すそうです。
実際に遺伝子組換え技術により生物の合成が行われていまして、ゼブラダニオにクラゲ由来の蛍光DNAが組み込まれて作成されたglofishというものがアメリカで人気です。
GloFish fluorescent fish are born brilliant! They are not injected or dyed. They inherit their harmless, lifelong color from their parents. #Fish #Aquarium #SeaLife #Ocean #Marinelife #GloFish #Fluorescent #Life #FridayFeeling #NatureMatters pic.twitter.com/OXb56YWilg
— Lady J (@JasmiinFlowers) 2018年11月1日
カラフルなだけでなく蛍光遺伝子が組み込まれているためブラックライトで光ります↓
そしてこちらはゼブラダニオにサンゴのDNAが組み込まれて作成されたものだそうです↓
画像引用元:おちば便り
かなり綺麗でびっくりしますが遺伝子組換え生物だそうです。
遺伝子組み換え技術のザリガニへの応用
遺伝子組換え技術を使うことでザリガニですと
- クラゲの蛍光DNAを組み込んだ蛍光ザリガニ
- ダイオウサソリのDNAを組み込んだ真っ黒なマットブラックザリガニ
- ザリガニが本来有しない緑や黄色等の色素DNAを組み込んだカラフルザリガニ
などなど、夢のような表現のザリガニを作成することが可能です。
メタリックザリガニが作成可能!
そういえばザリガニのチタニウムはどうやら実在しなかったようですが遺伝子組み換え技術を使えば実際にメタリックザリガニが作成できると思います。
例えばこのゴールデンテトラのキラキラは体表面に付着しているバクテリアの働きによるものらしいですがそのDNAをザリガニの外骨格に組み込めば、、、
遺伝子組替生物はカルタヘナ法により禁止
遺伝子組換え技術はかなり画期的で夢のような技術です。これを使えば簡単にザリガニの新しい表現が作成可能です。
しかし遺伝子組換え技術により作成された遺伝子組換え生物はカルタヘナ法により規制されています。したがってメタリックザリガニがもし本当に作成されたならかなり画期的ですが飼育はできません。輸入もできません。
遺伝子組換え技術は、その利用により生物に新たな形質を付与することができるため、人類が抱える様々な課題を解決する有効な手段として期待されています。しかし、作出された遺伝子組換え生物等の形質次第では、野生動植物の急激な減少などを引き起こし、生物の多様性に影響を与える可能性が危惧されています。
日本においても、通称「カルタヘナ法」により、遺伝子組換え生物等を用いる際の規制措置を講じています。
引用元:農林水産省
過去にサンゴのDNAが組み込まれた「レッドゼブラダニオ」が違法輸入され国内流通したことがあったそうですが
画像引用元:おちば便り
その際は環境省が取り締まりを行ったそうです↓
このゼブラダニオは、サンゴの一種に由来する遺伝子が導入され、赤色を帯びている。環境省が07年2月に、神奈川県綾瀬市内の小売店「JET」を立入検査し、回収した個体を国立環境研究所と水産総合研究センターが分析したところ、組換え生物であることが正式に確認された。
流通ルートとしては、さいたま市の卸業者「ダイフク・インポートサービス」が約350匹を観賞用にインドネシアから輸入し、「JET」に300匹販売していたことが把握されたが、2業者とも遺伝子組換え生物とは知らなかったとし、現在までに、残りの魚の処分、すでに販売した個体の回収を行っている。
引用元:EIC
ザリガニのキメラがカルタヘナ法に抵触してしている遺伝子組換え生物なのかどうかは調査機関が分析して判定を行うため現段階では不明です。
しかしカルタヘナ法という法律が現在存在していて効力を発している以上、もしザリガニのキメラが遺伝子組換え生物でカタルヘナ法に抵触しているならばそういったザリガニを飼育や販売等しているだけで↑のレッドゼブラダニオ事件のようにニュースに名前が出てしまう可能性があります。
虚弱な異常DNAを持つことは明らか
あとかなり問題だと思うのが、雌雄モザイクなどの生物って虚弱で短命だとされています。おかしなDNAを持つザリガニのキメラやそのヘテロなどを流通させないでいただきたいんですが。
将来的に運が悪いと購入したザリガニがキメラの虚弱遺伝子由来ですぐ死ぬっていうケースが頻発する可能性だってあります。
個人でキメラを飼育して観賞するだけならカルタヘナ法に抵触するかどうかは別としてまだ分かりますが変なものを繁殖させて市場に流通させないでいただきたいです。
【ざりがに本舗からお知らせ】
今週末のBLACKOUTですが・・
Clawさんの所のキメラから産まれたザリガニを数量限定で販売させて頂きます。
何と同腹でキメラも出てますよ‼️将来が楽しみなザリガニ達ですのでこの機会をお見逃しなく👍
#キメラ #BLACKOUT #ザリガニ pic.twitter.com/knDPzJeOor
— ざりがに本舗 次は4月7日ジャングルハンター千葉に出店します。 (@zariganihonpo) 2019年3月11日
ザリガニが本当に好きならば、なんでもかんでも商品化して「金儲け」に利用するのは辞めてほしいです。せめて安全性の確認が取れてからにするべきでは?