ニホンザリガニが北海道と本州の一部の地域(青森県など)にだけ生息している日本固有の在来種であることはよく知られてます。
しかしいろんな事実を考えると本州に生息してるニホンザリガニは外来種である可能性も考えられます。
Contents
外来種とは
ちなみに外来種とは、国外由来かどうかに係らず、本来の生息地ではない別の場所に人為的に移入して生息している生き物のことをいいます。

ニホンザリガニに関する定説
現在の定説では、ニホンザリガニの元々の生息地は札幌付近なんだそうです。ニホンザリガニの遺伝子を調べていくとその付近のものが一番古いんだとか。
このことからニホンザリガニは
- 札幌から北海道全域に分布域を広げ
- それが北米大陸に渡ってそれがプロカンバルス属などに分岐
- 同時にユーラシア大陸にも渡ってチョウセンザリガニなどに分岐
- そして津軽海峡を渡って本州の一部にも定着
したということになります。

ニホンザリガニが全てのザリガニの始祖説は以前記事に書きました↑
本州と北海道は津軽海峡により分断されている
しかしここでとある疑問が。
本州と北海道の中間には津軽海峡が存在します↓
引用元:wiki
この津軽海峡ですが、「海峡」と名付けられているくらいですからかなり深く
- 最深部は449m
- 最も浅いところでも140m
なんだそうです。しかも大変流れが速いことでも知られてます。
したがって本州と北海道が単純に陸続きだったことは歴史を遡っても過去に一度もなく、氷河期時代に全世界の海が130mくらい海面低下していた一時期にだけ津軽海峡の最も浅いところがギリギリ陸続きのような感じだった可能性があるというレベルらしいです。
しかもそれは最短でも2万年前なんですって。
北海道に生息するニホンザリガニとは別種?
ということは、、、ここでかなり大きな疑問があります。
現在本州に生息しているニホンザリガニが2万年前の氷河期に津軽海峡を越えて本州に移動してきて青森県などに定着したものであるならば、北米大陸に渡ったニホンザリガニがプロカンバルス属などに分岐して進化したのと同様に本州に渡ったニホンザリガニは北海道に生息するニホンザリガニとは別種に分岐していないとおかしいです。2万年という期間はそれくらいの長期間です。
しかし実際には青森県などの本州に生息するニホンザリガニは北海道に生息するニホンザリガニと完全な同種です。
つまり氷河期時代に北海道から本州に渡ったという可能性はゼロだということです。
津軽海峡が陸続きだった可能性
したがって、青森に生息するニホンザリガニにはいろいろと疑問が多いです。
このことから氷河期時代よりずっと後、比較的新しい時代に津軽海峡が陸続きだった可能性があるという意見もあるようです。
津軽海峡は陸続きだったかどうかや、その時期に関し結論が出ていない。小泉助教は「比較的新しい時代に陸続きだったことを示す有力な証拠。環境の変化を物語る固有種保護の重要性も確かめられた」と話している。
しかしこの意見はかなり怪しいです。個人的に信憑性ゼロです。
ブラキストン線
なぜならば北海道と本州にはお互いに固有の生き物がいます。それが
- ヒグマ(本州には生息していない)
- エゾリス(本州には生息していない)
- ツキノワグマ(北海道には生息していない)
- ニホンリス(北海道には生息していない)
などです。
このことから津軽海峡は「ブラキストン線」とも呼ばれます。
ブラキストン線(ブラキストンせん、Blakiston Line)とは、津軽海峡を東西に横切る動物相の分布境界線である。津軽海峡線(つがるかいきょうせん)ともいう。
なお、1988年の青函トンネル開通によりその後は北海道と本州が陸続きとなったため本来本州にいないはずの生き物がいたりといった問題が発生してますが
それに関しては今回はスルーします。
つまり津軽海峡を境として生物の分布域に明確な境界線(ブラキストン線)があることから津軽海峡は過去に一度も陸続きになったことがないという説は定説になってます。
ニホンザリガニのDNAだけでは何の根拠にならない
したがって、北海道に生息するニホンザリガニと本州に生息するニホンザリガニのDNAが比較的近いからといって津軽海峡が比較的近い時代に陸続きだったと考えるのはかなりおかしいです。そんなのただの一つの事実でしかありませんし何の根拠にもなっていません。
しかし研究者の方は自分の功績のために都合よく物事を考えるようですね↓
小泉助教らは、北海道や青森、秋田の約70地点、600匹のニホンザリガニのDNAを分析。DNA型が変化していくパターンから、札幌近郊にいたグループが、150万年前よりも後に、津軽海峡を越えて生息域を広げたことが分かった。海では生きられず、人が持ち込んだとも考えにくいため、陸続きだったことを裏付けるとしている。
本州に生息するニホンザリガニが外来種の可能性
ということは、「ブラキストン線」の存在を覆さない限りは本州に生息するニホンザリガニが近い時代に人為的に本州に移入してきた「外来種」である可能性が非常に高いということになります。
引用元:wiki
単刀直入にいいます。これまで津軽海峡を越えた生物は一切いないんです。しかしニホンザリガニの生息域だけは北海道及び本州の青森県などとされてます。これってかなりおかしいですよね?つまり青森などに生息するニホンザリガニは外来種の可能性が大です。
しかし、ニホンザリガニが自力で津軽海峡を渡っていた可能性もあると当方は思っています。これは完全な新説です!
その場合には本州の青森に生息するニホンザリガニは外来種ではないです。
次回の記事に続きます↓

主に本州と別れているのは哺乳類。当然、エゾ種もいるけど爬虫類や魚類なんかはかぶるんだな。