11/23追記:事後的に魚類学会に放流ガイドラインについて問い合わせを行いました。その結果、今回の騒動オイカワマルさんの軽率な嘘が招いたものだということで決着がついてます。詳細はこちらをご覧ください。
3/29追記:オイカワマルさんツィッター活動休止に関して(是非お読みください)
Twitterでこんなツィートを見つけました。
ドジョウを水田に放流したいがどこから買ったら良いか→買うのではなく周囲にいるものをいれてはどうか→もうこのあたりにはドジョウはいない→地図をみる限りまだいるはず。調査させてほしい。からの在来と思われるドジョウの楽園を発見!!ということでこれを元手にすることに。まずはめでたし。
— オイカワマル (@oikawamaru) September 29, 2019
ちなみにツイ主は先日の捏造ツィート騒動で話題になったあのオイカワマルさんです。

行間を補足しながらこのツィート内容を解説しますとドジョウを田んぼに放流したいという農家がいて(なぜ?って思ったんですがそれはとりあえず置いときます)、しかしこの付近にはもうドジョウがいないのでドジョウの研究をされてるオイカワマルさんに相談があったんでしょう。そこでオイカワマルさんが提案したソリューションが
「ドジョウがまだ生息していそうな場所を見つけてそこでドジョウを捕獲して田んぼに放流する」というものだったようです。
引用元:名古屋環境大学
一見かなり美しい美談だと思います。本人もそんな感じでツィートしてますね。
Contents
淡水魚の放流にはいろいろな問題がある
しかし、この行動、いろいろと問題があります。
専門家の監修のもとドジョウの養殖事業を行ったところでドジョウが逃げ出せば次のとおり自然環境や生物多様性にとって大小様々なリスクが発生することに変わりありません。農家に助言等を行うのであればドジョウが逃げ出せば大小様々なリスクが発生するため養殖場の整備を万全に行いドジョウが極力逃げ出さないよう計画を立てるべきだと助言するのが正しいです。
また、アメリカザリガニだって農家の養殖事業として全国各地に持ち運ばれそして養殖場から逃げ出して自然の生態系に定着したんです。アメリカザリガニを過剰に敵視(こちら)しているようですが専門家を自称したいのであればこういった経緯・歴史を学ぶべきです。
- 本来の生息地を外れたら在来種であっても国内外来種扱いとなる(詳細)
- 同一種であっても水系により遺伝子が異なるため遺伝子汚染を招きかねない
- ドジョウは放流がよく行われているため同一水系であっても過去に放流された国内外来種個体の可能性がある
- ドジョウは外来種が蔓延しているため同一水系であっても交雑種の可能性がある
- 地点を越えた放流は病原菌や寄生虫等の拡散の可能性がある
つまりオイカワマルさんが放流した(放流予定の)ドジョウはたとえ同一水系のものだったとしても逃げ出せば外来種(国内外来種)ですしいろいろ言い訳があるようですが外来種駆除活動家が外来種を放流しちゃまずいでしょう。
また、魚類学会のかなりお偉い先生に直接質問してこのように回答が返ってきてます↓
Q.ドジョウの養殖に際し同一水系で採集した種親を使うことでリスクを最小限にできるといえますか?
A.放流先に同種、近縁種の個体群が存在するならばたとえ同一水系の種親を用いたところでそれらに対する遺伝的影響はゼロとはいえずケースに応じて大小のリスクがありえます。
詳細はこちらの放流ガイドラインに関してまとめたページをご覧ください。

ドジョウの遺伝子などどうでもいい
ちなみに誤解される方がいそうなので断っておきますと、ニホンザリガニの遺伝子には歴史的価値があるためニホンザリガニの放流は大問題ですが、ドジョウの遺伝子にはニホンザリガニほどの価値はないため個人的にはドジョウの放流なんて別にどうでもいいと思っています。
といいますかほとんどの淡水魚って既に放流されまくってて遺伝子カクテル状態で水系ごと遺伝子のまとまりなどもうほとんどないなどとも言われたりしてますよね。特にドジョウに関しては逃げ出すことが前提の養殖事業が地方のいたるところで行われています。
10/10追記:勘違いする方がいそうなので補足しておきますがどうでもいいからといって放流が許容されるわけではありません。むしろ生態系保全という観点からは放流は100%悪です。絶対放流するなという方向で周知徹底していかなければまずいでしょう。例外なんてありませんよ?
外来種関連の意識高い系ツィートでファボ数を稼いでる
しかし、今回ドジョウの放流をしたのは日頃から外来種関連の意識高い系ツィートや放流をやめろとかいうツィートをしてファボ数を稼いでいるオイカワマルさんです。
つい先日もこんな発言をしてました↓
ビオトープは良いのです。しかしコイの放流はだめです。メダカはどこ産でしょうか。写真に写っているのはホテイアオイではないでしょうか。子供には正しいことを教えないといけません。子供のためにと思うなら、大人はきちんと勉強する必要があるのです。。 https://t.co/H8XR7tN9uD
— オイカワマル (@oikawamaru) September 18, 2019
休耕田でメダカやホテイアオイを放流することはダメだと農家の人達を晒しあげてみんなでフルボッコで叩いていた張本人なのに
ドジョウを水田に放流したいがどこから買ったら良いか→買うのではなく周囲にいるものをいれてはどうか→もうこのあたりにはドジョウはいない→地図をみる限りまだいるはず。調査させてほしい。からの在来と思われるドジョウの楽園を発見!!ということでこれを元手にすることに。まずはめでたし。
— オイカワマル (@oikawamaru) September 29, 2019
同じ休耕田にドジョウを放流しておいて美談気取りはおかしいでしょ?
(オイカワマル)ドジョウは放流しても問題ない
あとはこれを言っちゃ外来種駆除活動家としてお仕舞い(オワコン)だと思うんですが、オイカワマルさんいわく、
ドジョウは放流してもたいして問題ないという言い分のようです↓
このあたりはきちんと論文にするつもりですが、ドジョウは移動能力が高いのか、人為的な移出入があまり想定されない地域でも、少なくともミトコンドリアDNAの部分塩基配列レベルでは、同じ平野を共有する水系間ではほとんど遺伝的差異がありません。
— オイカワマル (@oikawamaru) September 29, 2019
しかし、それを言ったらホテイアオイは日本の屋外ではほぼ越冬不可能なので放流してもたいして問題ないでしょうし、めだかだって既に放流されまくってますので水系ごと遺伝的差異はないでしょうからどじょうと同様に放流してもたいして問題ないから別に放流してもよいことになってしまいます。
でもそれじゃだめなんですよ。ということでこういったツィートを行いました↓
在来のドジョウであっても別の場所から採ってきてそれを放流(田んぼに放す)するのって遺伝子汚染の観点からどうなんだろう。
同じ地域であっても水系が違うと遺伝子は違うはず。
あとそもそも本来の生息地を外れたら国内外来種となり、移入先の生態系のバランスを壊す可能性があるのでは? https://t.co/ak6yWOXcmp
— ザリラムズ (@bredinjptyo) September 29, 2019
日本魚類学会「放流ガイドライン」
それに対するオイカワマルさんの反論が次のとおりです↓
問題がある放流と、あまり問題がない放流があるということです。日本魚類学会が出している「生物多様性の保全をめざした魚類の放流ガイドライン https://t.co/ZYPJKXGUIV」に、生物多様性保全に反しない放流の基本的な考え方が整理されていますので、ご一読下さい。
— オイカワマル (@oikawamaru) September 30, 2019
これも↓
説明が悪くご心配をおかけして大変申し訳ありません。基本的に「生物多様性の保全をめざした魚類の放流ガイドライン https://t.co/ZYPJKXGUIV」に則って行います。遺伝子解析はmtDNAのcytb領域かCR領域の塩基配列の確認と、RFLP法を用いた分析も行いたいと思っています。
— オイカワマル (@oikawamaru) October 1, 2019
前述のとおり同一水系の魚であっても交雑種や放流により持ち込まれた国内外来種である可能性があります。
つまり地点を越えて放流したらDNA鑑定でもしない限り遺伝子汚染等の可能性は否定しきれないですし生態系インパクトも測りしれないです。また歴史の不可逆性の混乱も起こしかねないです。
それにも関わらず日本魚類学会が発表してる「生物多様性の保全をめざした魚類の放流ガイドライン」に準拠した形で放流を行っているからリスクはゼロだから問題ないとするオイカワマルさんの主張はかなりおかしいです。
なお、その後リスクゼロではない(つまり遺伝子汚染や外来種の拡散リスク等いろんなリスクがあることは分かった上で放流した)と訂正されましたが、こちらが追及したから事後的に訂正ってかなり酷いですよね。追求しなかったら間違いなくそのままリスクゼロだということで逃げ切るつもりですよね。
放流ガイドラインとはなんなのか?
なおここでオイカワマルさんの心のよりどころ「生物多様性の保全をめざした魚類の放流ガイドライン」、略して「放流ガイドライン」について少し解説しますと、実際にこれを読んでいただければ分かると思うんですが「放流ガイドライン」に従って放流をしている限りリスクゼロだなんてことはどこにも書いてありません。(ちなみに放流ガイドラインはここで公開されてます)
むしろ、放流にはリスクがあることから希少種保護という大義名分のためとはいえ、むやみに放流することを制限するために設けられた指針(行動目標)がこのガイドラインです。
自分の理解が正しいならオイカワマルさん完全アウト。魚類学会のガイドラインを守ってれば放流してもリスクゼロだなんてことはないです。
むしろ希少種保護のためとはいえ放流にはリスクがあるからむやみな放流を制限するために作られたのがあのガイドライン。
詳しくはブログに書きます。
— ザリラムズ (@bredinjptyo) October 1, 2019
詳しくはブログに書きますというその記事がこちら↓

※魚類学会のとても偉い方(オイカワマルさんより100倍くらいすごい先生)に直接確認を行った内容です。
さらにここからいろんな話が進展してきます。ぜひすべてお読みください↓





はじめまして。突然すみません。
強い言い方で申し訳ないですが、この記事を読むとブログ主様の主張は揚げ足取りではと感じてしまいました。。。
相手の人は一度も今回の放流にリスクがないとは言っていないのに、そう言ったかのように誘導されていると感じました。
「問題がある放流と、あまり問題がない放流がある」→「他地域から持ち込むという点でリスクはゼロではありません」発言内容に変化はなく、今回の放流について、リスクはゼロではないが指針や生態などを背景に考えて、リスクは少ないと言える遺伝子汚染等には配慮した対応だったのではないでしょうか?
持ち主がドジョウを放す意思がある以上、買ってきた100パーセント外来種のものよりも近くの同系統のものを放す方がリスクは少ないのは明らかですし
最初の投稿では、Twitterですし諸々説明が足りないだろうとは思いますが、、、。