保全という名目で放流が行われるのは魚類関係のみ

 

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保全のために行う放流は問題のない放流である。このようなことを言ってる方がいますね。

確かに日本魚類学会では「保全」のために行う放流を「許容」していますがこれを根拠に保全のために行う放流は「問題ない」と言い切ってしまうのはいかがなものでしょうか。

ちなみに、「保全」という名目があったとしても放流という最終手段が安易にとられるのは「魚類」だけです。魚類以外の絶滅危惧種の保全では放流はほとんど行われていません。

保全のための放流の具体例

日本魚類学会が公表する放流ガイドラインでは一定の場合には放流が許容されます。その具体例は次のような場合です。ちなみにあくまで許容されるだけです。

A生息地に希少魚が生息しているとしてそのA生息地が開発行為により消滅するといったケース。

こういったケースでは貴重な在来魚のDNAが失われるくらいなら放流によりDNAを保全することが日本魚類学会的には許容されるようです。

しかし、これあくまで民間団体「一般社団法人日本魚類学会」やそこに所属する研究者の一意見でしかないんですがこのあたりかなり誤解してる方がいますよね。

日本魚類学会は単なる民間団体

繰り返しますよ。「日本魚類学会」というのは「公的機関」でも「国から公益性があると認められた公共性が高い機関」でもなんでもない、魚類関係の研究者などが集まって作ったただの「民間団体」です。

学会と名前がつくとすごく権威があるように感じてしまう方が多いと思いますが、学会なんて作ろうと思えば誰でも簡単に作れます。例えば当方が明日、「一般社団法人日本魚類学会」を作ろうと思えば即日設立可能なくらい簡単に作れるその程度の組織です。

こちらでもこのように書いてあります↓

学会設立には要件はありません。一人で、自分の部屋で、「○○学会を設立します」とつぶやくだけで、一応学会になります。私は、全会員30名、参加者9名で、学会雑誌をもっていない学会に一つ入っています。

引用元:OKWEB

つまり、その「民間団体」である日本魚類学会が希少種の保全のために行われる放流は許容されると意見発表しているからといってだからなんなんですか?

もちろん、魚類のことを専門に研究してる方々がいろいろ考えてこうしようと決めたことなので尊重されるべきではありますがこれを持って「保全のために行う放流は問題がない」などと日本魚類学会の会員でもない一般人に啖呵を切るのは勘違いもいいところです。

保全のために放流が行われるのは魚類関係のみ

なお、日本魚類学会が言うように、保全のために行う放流は許容されるべきという意見は分からなくもないです。

しかし、保全のためとはいえ人為的な放流は行うべきではないという考え方もあるでしょう。むしろ魚類以外の他の絶滅危惧種の保全に際してはこちらの考え方のほうが主流です。

日本には絶滅危惧種が約3,500種いるそうですが当方が知る限り、魚類以外の絶滅危惧種の保全で放流が行われているケースはほとんどないです。むしろ全くないのでは?

ニホンザリガニの放流は数万年単位で行われていない

例えばニホンザリガニ。

引用元:yahooきっず

日本を代表する在来種で一部の地域では天然記念物に指定されている絶滅危惧種ですが放流は過去にほとんど行われていないですし放流により保全しようだなんて議論が登ることすらありません。

何万年単位でニホンザリガニの放流は行われていないはずです。かなり常識的な判断だと思います。

ヤンバルテナガコガネの放虫は行われていない

次に天然記念物に指定されているヤンバルテナガコガネ。

引用元:むし社

そもそも採集も飼育も禁止ですので保全のためという名目で民間団体等により放虫が行われることはないです。違法な放虫は後をたたないようですが。

なお、国が主導するヤンバルテナガコガネの保護増殖計画というものがあり、国主導で増殖と放虫は行われているようですが国の天然記念物を保護するために国が行ってる事業ですので例外中の例外ではないでしょうか。詳しくはこちら

アマミノクロウサギの放流は行われていない

Twitterでたびたび名前を目にするアマミノクロウサギ。

引用元:ふるさとチョイス

残り200頭ってのは徳之島限定の話で実際には国内に1万匹くらい生息してるようです。それでもかなり深刻な状況であることには変わりありません。しかし放流による保全は一切行われていません。

このように、魚類関係以外の生き物については「保全」という目的でも基本的に安易な放流は行われていません。そこには人間が自然に手を加えるべきではないという理由だったりいろんな理由があることと思いますが。

問題のない放流などという記載はない

ちなみに日本魚類学会公表の「放流ガイドライン」には保全のために行う放流は問題のない放流であるなどという記載はありません。

あくまで許容されうるというようなことが書いてあるのみです。しかしなぜだかTwitter限定で放流ガイドラインに従って行う放流は問題がないなどというデマが一般化してるようですね。

なぜ簡単に人の意見を鵜呑みにしてしまうのでしょうか。日本魚類学会に直接問い合わせて確認するくらい熱意のある方っていないんでしょうかね?

トキとコウノトリ

なお、魚類以外の絶滅危惧種で保全のために放流(放鳥)が行われている生き物があります。それがトキコウノトリです。

引用元:wiki

ただしこれ、一応「トキの保全」という名目になってますが実際にはドジョウの養殖事業を産業化するための建前ではないかと思ってます。つまりここにも魚類関係が絡んでるわけですね。この件に関して詳しくは別記事で。

次の記事に続きます。

オイカワマルさんって虚言癖がありますか?
オイカワマルさんって虚言癖がありますか? オイカワマルさんって虚言癖ありますか?今回のドジョウの放流は放流ガイ
日本魚類学会『放流ガイドライン』に関するQ&A
日本魚類学会が「放流ガイドライン」というものを公表しています。正式名称は「生物多様性の保全をめざした魚類の放流ガイド

『保全という名目で放流が行われるのは魚類関係のみ』へのコメント

  1. 名前:Marume 投稿日:2019/10/12(土) 16:57:34 ID:be7697204 返信

    トキやコウノトリの飼養・放鳥はタンチョウの成功事例を背景としたものではないでしょうか?
    タンチョウもタンチョウで問題は多いので、万全の環境保全とは言い難い面が多々ありますが。

    • 名前:ザリラムズ 投稿日:2019/10/12(土) 23:51:31 ID:e3e38f242 返信

      タンチョウもそうだったんですね。少し調べてみましたがタンチョウ保護はかなりの成功事例のようですね。

      個人的にトキの保護事業はもともとは純粋な保護活動だったのかもしれませんが現状は産業補助的な意味合いのほうが強いと思ってます。

      トキの保護のためには膨大な量のドジョウが安定的に供給される必要があり、その需要を満たすためにドジョウの養殖事業が推進され、それによって山間部の僻地(田んぼとしては使いづらい)の農家の補助になったり佐渡の農家の補助になる