アメリカザリガニの捕食によりヤゴやゲンゴロウが絶滅するというウソ

 

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アメリカザリガニはヤゴなどの在来種を捕食して絶滅に追いやる侵略的外来生物であるため積極的に駆除しなければいけない悪者であるとされます。

しかしいろいろと間違ってます。間違った情報を環境省が流してます!

外来種被害防止行動計画

例えば、↓は環境省が公表してる「外来種被害防止行動計画」というものですが

これだけ読むとアメリカザリガニはかなり問題が多い侵略的外来種なんだなと誰しもが感じるはずですがこれほとんどデタラメです。詳細は次のとおりです。

ちなみのこの記事は2019年3月に書いたものですが読みやすく修正したものです。アメリカザリガニをめぐる問題は今後「外来種いじめ問題」として掘り下げていく予定です。

ベッコウトンボの減少理由(環境省のウソ)

例えば静岡県桶ヶ谷沼のベッコウトンボですが、

画像引用元:kayoko world

環境省が発表した「外来種被害防止行動計画」には次のように書かれています。

静岡県桶ヶ谷沼は、国内希少野生動植物種であるベッコウトンボの全国有数の生息地でしたが、増加したアメリカザリガニの捕食などにより、ベッコウトンボの生息が危機的な状況に追い込まれています。

ベッコウトンボの減少理由の本当の真実

しかし本当のベッコウトンボの減少理由は開発行為が行われて沼の水質が悪化したことです。

wikiにもそう書いてあります。

原文を読みたい方はこちらをご覧ください。また、どこかの下水処理場が作成した「くらしと下水道」というスライドが非常に興味深いんですが

アメリカザリガニは汚い環境でも生息できるがヤゴは比較的綺麗な環境でしか生息できないと説明されています↓

おそらくヤゴは視力に頼っているので水が汚れていると視界が遮られてしまうためではないかと思いますが。

引用元:くらしと下水道

つまり、桶ヶ谷沼のベッコウトンボが激減した本当の理由は

  • 周辺地域の開発行為により水質が悪化してトンボが住めなくなった
  • 周辺地域の開発行為により水質が悪化してザリガニが増えた

からだと考えるのが自然なんじゃないでしょうか?環境省が公表してる「外来種被害防止行動計画」にはアメリカザリガニが大量繁殖したことが主原因だと書かれていますが。

ちなみに桶ヶ谷沼は1970年代には埋め立てが計画されてたくらいなんですよ。

シャープゲンゴロウモドキの減少理由(環境省のウソ)

次に石川県金沢市のシャープゲンゴロウモドキですがこれも同様です。

画像引用元:gengoro.info

環境省が発表した「外来種被害防止行動計画」には次のように書かれています。

石川県金沢市の池では、2000年代後半にアメリカザリガニが侵入したところ、数種の水草とともに国内希少野生動植物種のシャープゲンゴロウモドキが姿を消してしまいました。アメリカザリガニによる捕食の結果、この池から絶滅したものと考えられています。

アメリカザリガニがシャープゲンゴロウモドキを捕食した結果この池から絶滅したというのはかなりショッキングですね。

ちなみにこれ環境省の発表ですからね。なお環境省もどこかの研究者の論文とかを参照してるのかもしれませんが。

シャープゲンゴロウモドキの減少理由の本当の真実

しかし能登の里山というwebサイトを見ますとシャープゲンゴロウモドキの個体数減少の理由は「池や沼の開発、ほ場整備、耕作放棄地の増加、外来種の侵入などによって個体数は非常に少なくなったため」だと書かれてます。

2020/1/2追記:そもそもアメリカザリガニが日本国内に初めて移入してきたのは1927年で10年くらいかけてようやく関東地方に広まった程度であるのに対し、シャープゲンゴロウモドキは1943年以降関西地方での発見記録がないそうです。つまりアメリカザリガニの定着以前に個体数減少が始まっています。そしてその時期は農薬が普及しはじめた時期と一致してます。

つまり、アメリカザリガニのせいでシャープゲンゴロウモドキが絶滅に追いやられていると言い切るのはかなり無理があります

またwikipediaのシャープゲンゴロウモドキの項目には次のように書かれています。

本種は大型肉食性水生甲虫類の一種として生態系の中で重要な位置を占めるとともに、湧水があり水質汚染がなく人工護岸がなされていない良好な水辺環境を代表する種として重要である。

wikipedia

シャープゲンゴロウモドキはかなり水質が綺麗な場所にしか生息できないようです。

これってつまり生息地が開発行為などにより水質悪化したらそこには生息できなくなるってことなんですがシャープゲンゴロウモドキの生息地では開発行為が行われています。

つまり、シャープゲンゴロウモドキの個体数激減の理由をアメリカザリガニのせいだと断定している環境省の発表はかなり間違ってますよね?

しかもこういうケースは山ほどあると思います。当方がたまたま調べたのが「ベッコウトンボ」と「シャープゲンゴロウモドキ」だけですので。

アメリカザリガニはデトリタス食性

アメリカザリガニは「デトリタス食性」という水底の堆積物などを餌とする性質があります。

湧き水があって水が澄んでるような環境はアメリカザリガニの生息には本来適していません。

そういった環境に生息できなくはないですがそういった環境でアメリカザリガニが爆発的に増えることはありません。餌が少ないんですから。

澄んだ水だとアメリカザリガニは天敵に襲われやすい

また水が澄んだ環境ですと真っ赤なアメリカザリガニは目立つため鳥などの天敵に襲われやすいです。したがってそういった場所では爆発的に増えると言うことは通常ありえません。

Grey heron (wild birds), Osaka Tennoji Zoo

photo credit: lasta29

ギガントサイズのアメリカザリガニが生息しているのはグリーンウォーターの場所だという共通点があるようですがこれは天敵であるアオサギなどから襲われにくいためだと考えています。

アメリカザリガニ関連の情報にはデマが多い

アメリカザリガニが大量繁殖したことで水が汚れて在来種を食べ尽されて自然環境が破壊された!という話を度々目にすることが多いですがそういう話は結構デマが多いです↓

外来種の侵入によりたった1年間で在来の水草が食べ尽された!!!らしい
みなさんこのツィートを見てどう思いますか? 左;キクモ、ミズオオバコ、コナギ、イボクサ、イトトリゲモなどの水草

ヤゴとザリガニは一方的な捕食関係ではない

一般的にアメリカザリガニはヤゴなどの水生昆虫を捕食する一方的な捕食関係であると考えられているようです。しかしこれは間違いです。

ヤゴは純肉食性でメダカですら食べてしまいます↓

当然アメリカザリガニの赤ちゃんも食べます。

開発行為による生態系ダメージが一番大きい

なおここまでいろいろ書いてきましたがアメリカザリガニなどの外来種(国内外来種含む)が生態系に深刻なダメージを与えうるというのは間違いないと思います。

しかし在来種が絶滅しかけてたり里山から多様な生き物が失われつつあることの一番の原因は人間による開発行為のはずです。これが現実なんですよ。

こちらの記事に続きます↓

外来種を駆除しても開発行為により破壊された自然環境は復活しない
Twitterを見てますと在来種保護という「大義名分」のために過剰にアメリカザリガニなどの外来種を敵視して外来種の駆

『アメリカザリガニの捕食によりヤゴやゲンゴロウが絶滅するというウソ』へのコメント

  1. 名前:通りすがり 投稿日:2019/10/19(土) 00:23:09 ID:b83b60f60 返信

    ザリガニを悪者にしたくない気持ちは解りますがザリガニ飼育している方だから解るとは思いますがかなりの大食漢で雑食性の生き物ですよね?デトリタス食性といっても落ち葉や枯れ草のみを食べる訳ではなく水草もかなり食べます。それにより水生昆虫の住処となる水草や抽水植物の茂み等が無くなることにより、水生昆虫が生息出来なくなるって可能性も含めての環境省の発言ではないでしょうか?

    あと、Wikipediaは誰でもかけるし責任の所在もない書き物ですし、科学的、論理的なあなたがデータの様に引用するのは適さないと思いますよ。

    • 名前:ザリラムズ 投稿日:2019/10/19(土) 00:42:40 ID:4f0fec20b 返信

      ザリガニを擁護するつもりは全くありません。外来種ですしもともとの生態系にダメージがありうるのは当然だからです。国内外来種もそれは同じです。事実に反するから事実に反すると書いてるだけです。

      当方はザリガニを毎年年間1万匹くらい繁殖させて実際相当数のアメリカザリガニを飼育しつついろんな検証実験を行っている経験から申し上げさせていただきますと、ザリガニは水草も食べますが水草だけですと成長はかなり遅いです。むしろほとんど成長しないです。

      また、水草を積極的に食べるということはしないです。ただ単純に食べられそうなものは何でも食べるというデトリタス食性なだけです。栄養バランスを考えザリガニに人参を与えたりしてますが人参を与えると糞がオレンジ色ですので消化器官的にいったいどれくらい消化できてるんだとうと疑問に思っているくらいです。多分生の状態ですとあまり消化できていない気がしてます。

      むしろ水草を食べるという点からいえば鮒などの魚類のほうがすごいです。金魚をプラ舟でアナカリスを入れて飼ってたことがありますがびっくりするくらいアナカリスを食べました。

      ただしザリガニの繁殖力、食欲旺盛さなどを考えると一個体ごとの影響はわずかでも大量に繁殖すれば影響が大きくなる可能性はありえます。しかしそもそも栄養的に不十分な餌が少ない環境ではさすがのアメリカザリガニといえど爆殖は難しいので清涼な環境にアメリカザリガニが爆殖して水質を汚染して生態系を破壊するという説はかなり懐疑的に考えてます。

      自然環境がどんどん破壊されてそこにアメリカザリガニが入り込んでるだけではないでしょうか?

  2. 名前:Marume 投稿日:2019/10/19(土) 07:22:54 ID:6384f1995 返信

    ベッコウトンボについてはそもそもがデリケートな生物なのでアメリカザリガニの移入との相関を見出すのは困難ですが。
    シャープゲンゴロウモドキの減少については現地の環境推移次第ではアメリカザリガの移入との関係性がある可能性が高いと言わざるを得ません。
    問題になるのは「“数種の水草ととも”に国内希少野生動植物種のシャープゲンゴロウモドキが姿を消してしまいました」と言う記述です。
    アメリカザリガニは水草を刈り環境改変を行う生態を持つので食性や個体数の多寡とは無関係に環境圧が高いのではないでしょうか?
    https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2017/20171212-1.html
    情報元はこちらですが、不信がございましたら飼育下の個体に在来の水草を与えて追試を行ってください。
    調査目的でなければアメリカザリガニが刈ると分かっていて水草を与える事はしないので、食餌として少量を与えるだけの飼育下では判明しづらい生態の一面ですよね。
    大型のアメリカザリガニは水草が繁茂しづらいグリーンウォーターの環境下で見られると言うのがそのまま回答で、
    隠れ家となる水草を自ら刈り取る焦土戦術のような生態なのでそう言う環境でもないと大型化できないと言う予測が成り立ちます。
    シャープゲンゴロウモドキはセリやガマなどの抽水性の植物に産卵する生態を持つので、
    アメリカザリガニによる具体的な影響を計るにはそれらに対するアメリカザリガニの環境圧を調査する必要がありますが。
    外来種であるアメリカザリガニの進出によって生じた環境圧によって在来種の個体数が減じる経過としては一定の納得が行くものだと思います。

    水生昆虫が生息する止水域は島嶼環境に類似した孤立したデリケートな環境なので高い環境改変能力を持つアメリカザリガニの侵入は大きな脅威だと思うんですよね。
    http://repository.lib.gifu-u.ac.jp/bitstream/20.500.12099/77619/1/edu_070043003.pdf
    こちらの資料でアメリカザリガニの食性についてもデトリタス食の専門家ではなく一定の捕食性を持つことが丁寧な対照実験により確認されているので。普通に雑食ですね。
    なのでアメリカザリガニについては水草の刈り込みによる環境圧と捕食圧を統合した上で考慮する必要がありそうです。
    また小型のヤゴは確かにアメリカザリガニの稚ザリを食べますが大型個体相手には一方的に捕食されますので、アメリカザリガニが育ってからは一方的な捕食関係が成立します。
    陸上を歩いて地力で版図を広げられるようなアメリカザリガニが概ね大型個体であることを踏まえると侵入時点で最低限の捕食圧が生じる。
    多くのヤゴが遊泳性ではなくアメリカザリガニと同じ底生性の生態を持つと言う点でも捕食対象に入りますし。
    子供の頃水生昆虫が好きで色々探し回っていたんですが自分の経験談からすると、
    アメリカザリガニが生息する池は水草も少なく本当に水生昆虫の密度が低くて見付からないんですよ。
    対して学校のプールの水抜きでは藻が生えた水底にヤゴがうじゃうじゃいたんですよね。
    ウスバキトンボなんか本当にどんな環境でも育つので水草の浮い甕に抜け殻が付いてた事もあるんですが、
    アメリカザリガニが生息する池で見た事はゼロです。成虫の産卵を確認した上で挑んでも無理でした。
    https://conservationbiologynews.wordpress.com/2018/10/24/meet-the-bully-that-has-been-inflicting-destruction-in-local-mountain-streams/
    https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/082400373/?P=1
    アメリカ本国において国内移入種としても調査が行われているようですが、その記録を見てもヤゴに対する環境圧は疑えるようです。
    (ヤゴの現象を蚊の増殖に繋げるのは流石に無体すぎるとと思いますが)
    原産地のヤゴが一体どのように共存しているの非常に興味を惹かれますね。
    アメリカザリガニの原産地に分布するヤゴが何らかの特殊化した生態を持つのであれば
    逆説的にそうした生態を持たないヤゴに対する移入種としての環境圧の証明も可能でしょうし。

    外来種の環境圧に関する調査については飼育とフィールドワーク、双方からの知見がないと実情を把握しづらい面が大きいので、両者のバランスを取っていけたら良いですよね。

    • 名前:ザリラムズ 投稿日:2019/10/19(土) 13:51:20 ID:4f0fec20b 返信

      半分くらい何をおっしゃってるのか理解できませんでした。まずその論文間違ってます。水草を刈るのではなく食べようとして齧るので切れるんです。意図的に刈ってるわけではありません。研究者が勝手にそのような理由だと結論づけて発表してるだけですしそういう結論を導き出すための環境を用意して実験してるだけです。つまり結論ありきです。環境系の論文ってそういうデタラメなものが多いです。御用学者という言葉が存在してることがその証明です。

      また、アメリカザリガニに関しては国が侵略的外来種としたいのでそのような論文を書いたほうが評価されるからそういった論文がありふれるだけです。当方がもし研究者なら当方だってそういう捏造論文を書きます。そのほうが収入が増えるからです。

      水生昆虫を捕獲するために水草を刈るのであれば水生昆虫がいない水槽の水草はそのままの状態で残らないとおかしいですが写真のとおり水生昆虫がいないにも関わらず水草を齧ってます。

      また、池の水草が消滅したということでしたら農薬の影響も考えられるのではないでしょうか?↓のページでも農薬汚染による影響が指摘されてます。
      https://ikilog.biodic.go.jp/Rdb/zukan?_action=rn048

      実際日本で農薬が普及してよく使われだした時期は1900年~1930年頃なんですが時期的にシャープゲンゴロウモドキの個体数減少時期とかなり近いです。
      http://nouyaku.net/tishiki/REKISHI/REKI1.html

      またもともと本種は日本全域に生息していたのがどんどん数を減らし関西地方では1943年以降の発見記録がないそうですがアメリカザリガニが日本国内に初めて移入してきたのは1927年で10年くらいかけてようやく関東に広まった程度ですのでさすがにアメリカザリガニのせいで絶滅したと言い切るのはかなり無理があると思います。未だにアメリカザリガニが移入していない水辺の自然は残されています。
      https://ikilog.biodic.go.jp/Rdb/zukan?_action=rn048

      あとシャープゲンゴロウモドキはかなりの高値で取引されていたのでマニアによる深刻な乱獲が行われていたとも聞きます。

  3. 名前:ザリラムズ 投稿日:2019/10/19(土) 13:57:16 ID:4f0fec20b 返信

    これがその写真です。投入から2週間くらい経過してます。

  4. 名前:ザリラムズ 投稿日:2019/10/20(日) 12:57:05 ID:37826ebcd 返信

    Marumeさん

    こちらが歴史という決定的事実を示したんですからその事実を覆すレベルのさらなる決定的事実を示さない限り全く話にならないです。アメリカザリガニが移入する1927年以前からシャープゲンゴロウモドキの減少は始まってるんです。しかもその時期は農薬が普及しだした時期とも一致してるんです。

    デタラメな自説を展開して当ブログを攻撃してもシャープゲンゴロウモドキの減少理由はアメリカザリガニだけではないという事実は1ミリも変わりません。物理的に不可能なんですよ(笑)そもそも環境省がアメリカザリガニを悪者に仕立て上げようとすることには理由があるんです。

    シャープゲンゴロウモドキが生息している能登の現地の方ですら原因はアメリカザリガニだけではないとホームページに書いているのに現地のこともアメリカザリガニの生態についても何もしらないMarumeさんがシャープゲンゴロウモドキの減少理由はアメリカザリガニしかありえないとか笑止千万です。