植物防疫法の輸入規制について解説してみました

 

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植物防疫法とは、生きた昆虫類などを海外から輸入する際の法規制です。生き物飼育者の方でこの内容を熟知している方はかなり少なくしたがって生き物界隈では密輸が蔓延しているのが現状です。植物防疫法による法規制の内容に関して少しでも多くの方にご理解いただくことで少しでも業界が正常化するようこの法規制についてかなり分かりやすくまとめてみました。

ちなみに、当ブログでは広告は掲載していませんので完全なボランティアです。

なお同様の法規制には他に「外来生物法」、「ワシントン条約」などがありますがそれに関しては今回は触れません。

検疫有害動植物は輸入禁止

植物防疫法において輸入が禁止されているものとは具体的には「検疫有害動植物」「暫定的検疫有害動植物」が該当します。暫定的検疫有害動物については後述してます。

まず「検疫有害動植物」に関する規定は次のとおりです↓

検疫有害動植物とは、まん延した場合に有用な植物に損害を与えるおそれがある有害動物又は有害植物をいう。

植物防疫法第5条の2

何人も、検疫有害動植物を輸入してはならない。ただし、試験研究の用に供するため農林水産大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。

植物防疫法第7条

検疫有害動植物を輸入した者は、遅滞なく、その旨を植物防疫所に届け出て、その検疫有害動植物につき、原状のままで、植物防疫官の検査を受けなければならない。

植物防疫法第8条

そしてその「検疫有害動植物」は植物防疫所が公開しているデータベースで簡易的に検索することができ、検索した場合に↓のように「規制有」と表示されるものが「検疫有害動植物」に該当します。それが上記のような規制を受けるという制度になっています。

上の検索結果の例で言いますと「規制有」となっているクマワラジ、ワラジムシ(ナミワラジ)、そしてホソワラジは「検疫有害動植物」に該当するため輸入することができません。

何人も、検疫有害動植物を輸入してはならない。ただし、試験研究の用に供するため農林水産大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。

植物防疫法第7条

非検疫有害動植物は輸入可能

逆に植物防疫法により輸入してもよいと指定されているものがあります。それが「検疫有害動植物」です。

国内に広く分布しており農林業に新たな影響を及ぼさないものは検疫の対象から除外します

農林水産省

検疫有害動植物」は植物防疫所のデータベースで検索した場合に↓のように「規制無」と表示されるものです。繰り返しになりますが検疫有害動植物」は正規輸入が可能です。特に届出の必要もありません。

上の検索結果の例で言いますと次のものは正規輸入が可能です。

  1. オカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)
  2. Cubaris

少し捕捉しておきますと、Armadillidium属のうち有害判定が出ているのはオカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)ただ1種のみです。

また、Cubarisに関しては属として有害判定が出ています。したがってCubaris.spとして流通しているパークチョンアンバーダッキーなどこの辺りすべてが正規輸入可能です。

アンバーダッキーなどの輸入の詳細に関しまして興味ある方はご質問いただけましたら回答可能です。法趣旨を考えますと「非検疫有害動植物」に該当していたとしても積極的な輸入は控えるべき(検疫しないといってるだけで害虫であることには変わりない)だと思いますが、密輸が蔓延している現状を考えると合法的に輸入できるのであれば積極的に制度を利用していかないと正直者が損をする社会になってしまいます。ということでCubarisなどのグループ購入興味ある方いますか?

暫定的検疫有害動物の輸入は事前問合せが必要

最後に「暫定的検疫有害動物」とは、リスクアナリシスが終了していないため暫定的に検疫有害動植物としてみなされているものです。一般的には「未判定種」と呼ばれます。

リスク評価が終了していないため、暫定的に検疫有害動植物として取扱う有害動植物

農林水産省

未判定種(暫定的検疫有害動物)の輸入を希望する際には事前に植物防疫所に輸入の可否について問い合わせを行い、その結果検疫有害動植物」だと判定された場合にのみ輸入が可能です。これが法律で決められている制度です。

以前記事に書いたとおりです↓

植物防疫所に確認しないで未判定種を輸入したらそれはすべて密輸
なんだかよく分からないんですが、ワラダン密輸マンエビガニは密輸なんてしてない。輸入したワラダンは正規輸入だと思い込ん

未判定種(暫定的検疫有害動物)「検疫有害動植物」と同様の規制を受けるためこれを非正規に輸入することは密輸にあたります。

検疫有害動植物(暫定的検疫有害動物を含む)を輸入した者は、遅滞なく、その旨を植物防疫所に届け出て、その検疫有害動植物(暫定的検疫有害動物を含む)につき、原状のままで、植物防疫官の検査を受けなければならない。

植物防疫法第8条

前項の検査を受けていない検疫有害動植物(暫定的検疫有害動物を含む)を受け取つた者は、その郵便物を添え、遅滞なく、その旨を植物防疫所に届け出て、植物防疫官の検査を受けなければならない

植物防疫法第8条

輸入貨物や郵便物は税関などですべてが開封されて検査を受けているわけではないため、未判定種や有害種を郵便物として輸入した際に未検査の状態で自宅まで届いてしまうことがよくあります。しかしそういった場合には自主的に植物防疫所に届け出て検査を受けなければいけません。「しなければいけない」と法律に規定されている以上これは強制です。
「無事届いた=正規輸入できた」ではないです。

しかしながら植物防疫所の検査を受けていないのに「税関を通っているから」とか、「種類名証明書を添付しているから」とか、「封筒?が届いているから」とかいう理由で正規輸入だと言い張るおかしな人がいますがそれは違法(密輸)です。

封筒が届いたから正規輸入だと嘘ついてる人↓

無知なザリガニ飼育者エビガニ(イモガニ)がワラダンを密輸(植物防疫法違反)
11/25追記:本日植物防疫所に状況説明して確認を行いましたが結論的にはやはりアウトです。植物防疫所としては密輸され
覚せい剤を輸入してその荷物に税関の検査済印が押してあるからこれは正規輸入だと言い張ってるのと同じ
植物防疫法の規制の仕組みを理解していない方が多いようですが(大半の方は知らないのが普通なのでしょうがないと思いますが

参考文献

なお、植物防疫法は数年前から大改正の最中で定義などがどんどん変わってますのでご注意ください。