2020.8.19追記:アメリカザリガニとニホンザリガニ以外の全てのザリガニの特定外来生物入りがほぼ本決まりになった今、少しでも多くの方にこの記事を読んで熟考して欲しかったので投稿日を更新しました。内容は全く変わってません。もともとの投稿日は2018.12.5でした。
「ザリガニは外来種だから逃がしてはいけない」とか「ザリガニが特定外来生物に指定されないよう放流禁止の呼びかけを行っていく」とかいうことをツィートされてる方がいますよね。
Twitterではこういった短絡的な発言がウケるみたいですがよく考えてみてください。
- 逃がしてはいけないのは外来種だけですか?
- 2006年のザリガニの特定外来指定は放流が原因でしたか?
そもそも逃がすなっていうくらいならザリガニの飼育方法すら知らないような人にわざわざビラ配ってまで販売しなきゃいいのにって毎回思うんですけどね。。。。。
ペットの終生飼育は飼育者の責任
ペットは終生飼育が大原則でそれが「飼育者の責任」です。
外来種だから逃がしてはいけないのではなくペットとして迎え入れたからには責任をもって終生飼育するのが飼育者の責任だから逃がすなんてそもそも言語道断なんです。
販売に際して誓約書にサインをもらっては?
ザリガニパンチさんが「外来種だからザリガニを放流しないでください」って書いてあるビラを配ってるようですが、どう考えてもただのウケ狙いとしか思えないのですが受け狙いじゃなく真剣にザリガニの放流を問題視してのことであるならば、ザリガニを逃がさないという誓約書にサインしてくれる人にしか販売しませんとかそれくらいのことをやったらいいんじゃないんでしょうかね。
そこまでやるならこの人すげえって思いますが絶対やらないですよね。そんなことしたら絶対売り上げ落ちますし。
在来種であっても逃がしてはいけない
なお、「外来種は自然の生態系に悪影響があるから逃がしてはいけない」こう考えてる方が多いようですがこれ間違ってはいないですが正解でもないです。
例えば日淡の魚とかオオクワガタといった在来種には地域個体群というものがあり地域ごとに特徴があります。以前の記事でも書きましたがこれを産地差といいます。

つまり在来種であっても逃がすのは大問題です。逃がしちゃだめなんですよ?
むしろザリガニに関して言えば在来種ニホンザリガニを放流されるほうが大問題です。そんな人ほぼいないはずですが。
分化してから150〜500万年もほかの集団から隔離され、独立していた日本在来のクワガタ集団の遺伝子組成に外国産の遺伝子が浸透して、遺伝子組成をかく乱することになります。こうしたかく乱の進行は地域固有の遺伝的集団の絶滅を意味します。日本の島ごとに複数生息している固有の遺伝子組成を持った地域個体群が、このように交雑によっていなくなってしまうと、日本在来のクワガタの生物多様性を低下させてしまうことになります。
またツィッターでは遺伝子汚染といわれますが「遺伝子錯乱」を招きかねないです。
外来種を敵視しすぎ
あとすごく感じるんですがみなさん「外来種」を敵視しすぎです。そもそも外来種と在来種を明確に区別できる方っているんでしょうかね?
例えば稲は外来種です。またほとんどの野菜も外来種です。牛などの家畜も外来種ですしほとんどのペットも外来種です。外来種を駆除しろと言うなら稲も外来種なので駆除すべきことになりますよね?
さらに言ったら在来の鮒だってある地域に生息するものはもしかしたら琵琶湖から運ばれてきて放流された国内外来種(国内外来魚)の可能性だってあるわけです。もっと言うと日本の固有種だとされてる動植物の大半が氷河期時代に大陸から渡ってきたものです。環境変化等に応じて生き物の生息域が変化する(遷移進行)のは当たり前なので、、、
こちらの記事に続きます↓


稲作とか営んでいる人からすればザリガニは稲をかじったり、畦に穴をあけて水漏れさせたり、厄介者かもしれませんね。
だけど私達が普段の生活でザリガニが外来生物で厄介だなんて思いませんね。
それに国内に人間が持ち込んだにも関わらず厄介もの扱いはおかしいですよ。
近所の公園の池にザリガニがいるんですが公園内の植物、生物に触れないで下さい、みたいな看板がありますが、駆除しなくていいんですか?って逆に聞きたいぐらいですよ。
なんというか人間のエゴイズムですね。